トップページ → 錠前 → メンテナンス → ヒンジ扉の調整
錠前の調子が悪いときには、扉調整が必要なことが多いようです。そこで、錠前の動作がおもわしくないときは、順番に点検していく必要があります。
扉や錠前の動作がおかしいときは、ここに書かれている手順で調査点検し、必要なら修理しましょう。
扉や錠前の説明をする前に、扉や錠前の名前を覚えておきましょう。なお、ここで説明に用いる名称は一般的なもので業種や地方によって多少異なる場合があります。
大きく分けて、「開き戸(Hinged door)」と「引き戸(Sliding door)」があります。音の響きが似ていて少し紛らわしいですが、「開き戸」は、蝶番などのヒンジで支えられてその軸を中心に回転させて開く扉で、「引き戸」は日本建築に多いレールや敷居の上を横に滑らせて開く扉です。
錠前の種類は
錠前の種類は
調子が悪い場合のチェックポイントを順を追って説明します。
キーが抜き差しできる位置に回転させてキーがスムーズに抜き差しできるかチェックする。
キーの抜き差しは?
その扉の種類は開き戸ですか?それとも引き戸ですか?(扉の種類の確認は扉の種類で確認をご覧ください。)
扉を開いて扉が悪いのか錠前が悪いのかをチェックします。扉を開いたままでテストします。(トリガーボルトと言われる扉が閉まっていることを確認する装置つきの場合はトリガーボルトを作動させてチェックします。)
扉を開けたままで施解錠操作を行うと
扉を開けたままでは調子が良いが閉じるとだめな場合は、錠ではなく扉側に原因があることが多いのでドアを点検します。デッドボルトと受け座の高さと前後関係を確認する。
デッドボルトを出した状態で受け座(ストライク)との高さを確認する。
扉と戸当たりの間にゴミがありませんか?
扉を開いて扉が悪いのか錠前が悪いのかをチェックします。扉を開いたままでテストします。(トリガーボルトと言われる扉が閉まっていることを確認する装置つきの場合はトリガーボルトを作動させてチェックします。)
扉を開けたままで施解錠操作を行うと
扉を開けたままでは調子が良いが閉じるとだめな場合は、錠ではなく扉側に原因があることが多いのでドアを点検します。デッドボルトと受け座の高さや左右の位置関係を確認する。
召し合わせ錠の場合は扉の隙間から、戸先錠の場合は扉を開けて、受け座との位置を確認しておきます。
高さが違う場合、扉と枠がきちんと合っているかを確認し必要なら戸車の調整で扉と枠の傾きを調整してから、作業を行います。
錠前を固定しているビスを緩めて高さ調整をする。
キーの抜き差しが難しい、あるいはキーは入るけど回転しない、または回転しずらい場合
他のキーでも同様ですか?また、そのキーは変形していませんか?
キー自体に問題がない場合、キーや鍵穴の形状の変化に鉛筆の削りカスなどを塗って抜き差しを確認してください。
鍵穴(シリンダー)が古い場合、黒鉛などの粉末潤滑剤を塗って一時的に使えるようになっても、将来また使えなくなる可能性が高いので、できるだけ早く鍵穴を交換しましょう。
キーが抜き差しできる位置はシリンダーによって異なります。多くはシリンダーに対して垂直ないし水平の位置で抜き差しできます。シリンダーの固定が不良でシリンダーが回転している場合は垂直や水平の位置で抜き差しができない場合があります。その場合は修理を依頼してください。
鍵穴には油系の潤滑油は決して差さないでください。特にクレ 5-56のようなシリコンオイルで希釈してあるような安価な潤滑油は、シリコーンオイルが揮発してしまい、一次的に治った様に見えても、日が経つと症状をさらに悪化させてしまいます。オイルとゴミが固化してしまったシリンダーは修復不能になります。
市販されている潤滑剤や油を、絶対に鍵穴に入れないでください。潤滑剤や油は埃を吸い込むので逆に動きが悪くなってしまいます。
鍵穴内部のすべりが悪くなると、ピンやタンブラーが磨耗し加速度的に症状が進行します。鍵穴(シリンダー)には粉末潤滑剤を使用してください。
お勧めは、当社で色々とテストした結果で、テフロンの微粉末を使用した固体潤滑剤スリーボンド 1810Cです。
スリーボンド 1810Cは、白色の粉末潤滑剤で、すべりがよく毒性もなく、しかも白色なので黒鉛のように服などを汚す心配もありません。そのため、鍵穴以外に潤滑油が使えないふすまやタンスの引き出しなどの木製建具や家具、カバンや衣類のファスナーなどの衣類にも使用できます。
キーが完全に奥まで入っているかを確認。キーには通常、ストッパーと呼ばれるキーの挿入深さを決める部分があります。それがきちんと鍵穴に接しているかを確認する。
キーが奥まで入らない場合、キーの抜き差しが難しいで鍵穴に潤滑剤を使ってみてください。それでも奥まで入らない場合は、異物が入っている可能性があります。修理を業者に依頼してください。