ブーメランを作ろう。

　やはりブーメランは木製が似合いますが、ブーメランに最適な航空機用や船用の合板は日本では手に入りにくいので、入手の容易なシナベ ニアやフローリング材を使用します。普通のコンパネ（コンクリートパネル）では内部のラワンが粗雑なため、うまくいきません。

　シナベニアとは、シナノキという木から作られるベニアで黒板や製図板、家具に使用される比較的緻密で、表面のきれいな ベニアです。厚さが６mmか９mmの物を建材店で注文して購入することができます。ただし、大きさは“サブロク"と呼ばれる９１５×１,８３０mm(３尺 ×６尺)です、これで４０個程度のブーメランができますから、グループで購入しましょう。

　フローリング材は、床材なので強度があり重たいので長距離用のブーメランに適します。

　厚紙かプラスチックシートにブーメランの形を製図して、ベニアに写し取り切り取り抜きます。ブーメランの標準サイズは、図１をごらん ください。
　ブーメランの厚さと全長の比率は７０〜１００倍が良いようです。ただし、ブーメランが大きく(厚く)なれば、この数値より少し小さめに作ってください。 これはブーメランが大きくなればなるほど投げた瞬間や墜落した時の衝撃が大きく、それだけでブーメランが破損することがあるからです。また、失速もおきや すくなります。
　ブーメランを切り取るときは、電動ジグソーを利用すると早いのですが、なければ引き回し鋸(のこ)"【図】や“底廻しのこ"【図】で切り取ります。糸ノ コ盤や糸ノコは懐(ふところ)が短いので使いにくいようです｡
　次にブーメランのそれぞれの翼を飛行機の翼のような形（古典翼）に削ります。このとき、右利き 用・左利き用で削り方が違いますから注意してください。【図】 また、あまり翼端の縁を薄くすると握りにくく、投げにくいので注意してください。

　　　　　　　【切り出し例】

　“ナイフ"や“切り出し小刀"で大まかに削り取ってから、木工やすりや“紙やすり"を木切れに巻き付けたものでなめらかに仕上げてい きます。 “紙やすり"はいきなり細かい目の物を使用せず、徐々に細かくしていく方がはるかに早く、きれいにできます。 形ができると空き地でテスト飛行をして細かい調整をします。

【調整方法】

　調整が済んだら、色を塗り、補強を兼ねてウレタンやポリエステル樹脂で塗装をします。 模様は好みでアボリジニっぽく描いても、モダンに、またサイケ調にかいても良いでしょう。
　表面をＦＲＰで補強する場合は樹脂を薄く塗り、固まってから再び樹脂を塗り、ただちにガラス布をなじませ、これが硬化したらやすりをかけます。再び樹脂 を塗り硬化後“紙やすり”で削る。この作業を必要な回数繰り返します。なお、塗装やＦＲＰでコーティングすると飛行性能は変化します。

　デザインに凝りたい人は、別記リンク集から、世界中のブーメランサイトを覗いてみられる事をおすすめします。リンク集

【注意】このブーメランを飛ばすには相当広い場所が必要です。少なくとも直径１００ｍ程度は欲しいところです。また地面は ブーメランが墜落しても壊れないような草が生えた柔らかい方が良いでしょう。慣れないうちは、苦労して作ったブーメランを猛スピードで地面に衝突に激突さ せてしまうこともあります。 そして何よりも人がいない事が重要です。飛行中のブーメランは見かけ以上に威力があり、まともにあたると、とても危険です。しかもそばを通り抜けたからと 安心していると向きを変えて後頭部を直撃ということになりかねません。 特に子供達はブーメランを見ると集まってくるので要注意です。 このブーメランを思い切り投げられるような広い場所はそうそうありません。そこで紙で作るブーメランにも挑戦して見ましょう。