右手用左手用鋏
右手用鋏・左手用鋏1
鋏に右手用・左手用があるのをご存知ですか?。それぞれ、右利き用・左利き用とされていますが、3種類あります。その3種類とは「右手用」「足左」「総左」の三種類です。鋏を実際に購入する場合、最も難しいのが左利きの方への鋏の選択へのアドバイスです。
以下にこの3種類の鋏の説明が記載されています。御自身があるいは、お子さんの鋏の選択で困ったときに参考にしてください。
まず、実際の洋裁鋏(東鋏)で眺めてみましょう。写真ではちょっと判りにくいのですが、右手用と総左は完全に鏡像関係になっています。足は足左タイプと総左は同じ物が使用されています。
右手用(標準型)
足左
総左(左利き用)
これらは使用する上で、どのように違うのかを次ページで説明します。
何気なく使っている右手用の鋏のしくみと実際に切るところを詳しく見てみましょう。
刃先が交差している部分は、1点でのみせ接触するように鋏は作られています。この部分が接触する為には足の部分に図のような方向に力を加える必要があります。
右の図を見ると判りますが、親指は起きて親指の付け根で鋏の足を左向きに押しているのが判ります。
人差し指以下の指は握られて反対方向に力を加えています。
「××と鋏は使いよう」と言われますが、文字どおりこの方向に力を加えていないと切れないのです。
正しい場合
間違っている場合
この鋏を左手で使うとどうなるかを次ページで説明します。
さて、この右手用の鋏を左手で使うとどうなるでしょう。
右手用の鋏は前のページで説明したように数の方向に力を加えなければなりません。
右手用鋏を左手で
右の図が右手用の鋏を右手手で使用している場合です。左の図は右手用の鋏をひだりてで使っています。
指の曲げ方も異なっている事で判るように、力の加え方も異なります。
鋏の足には手か痛くないように曲線でできていますが、それはあくまで本来の手で使用した場合で逆手で使用すると角があたりとても長時間作業ができる状態ではありません。
もう1点、重要な問題があります。鋏が実際に切っている部分が上刃の陰に隠れて見えないのです。
右手用鋏を右手で・・・
たとえ左利きの方でも、右手用の鋏を左手で使用するのは誤りです。
もう少し詳しく3つの鋏の違いを、実際の裁断作業を含めて説明します。
刃を少し開いた状態での3種類の鋏の画像です。
右手用(標準型)
足左
総左(左利き用)
さて、実際に裁断してみましょう。
もう少し詳しく3つの鋏の違いを、実際の裁断作業を含めて説明します。
右手用の鋏を右手と左手で使ってみましょう。
左手で裁断しているところ
右手用の鋏を左手で使うと上刃の陰に隠れて、切先が見えなくなっています。
これは、足左タイプの鋏でも同じ事が言えます。
左利きだからと言う理由で右手用の鋏を左手で使用するという事は一見、単純な問題と見られがちですが、実際には次のような問題があります。
切先が見にくい。
右手用の鋏を左手で使用する悪癖がついてしまう。
切り抜きなど鋏を持たない方の手での作業が重要である事を考えると、「左利き」は、右手用の鋏を左手で使わなければならない理由とは言い難いと思います。
左手で右手用の鋏を使う癖をつけてしまうと、正式な左手用の鋏が使えなくなる事を考えると、右手用の鋏を左手で使用したり、足左タイプの物を使う事は良くない事が判ります。
右手で裁断しているところ
左手用の鋏を左手で使用する。
左手で左手用の鋏を使用。
右手で右手用の鋏を使用。
右手用の鋏を右手で使用する。
実際に鋏を選択するにはどうしたら良いでしょうか?
では左利きの人は、どんな鋏をどのように使えば良いのでしょうか?。
方法は次のふたつしかありません。すなわち
左手用の鋏を左手で使用する。
右手用の鋏を右手で使用する。
ところが、このいずれも問題があります。・・・1(左手用の鋏を左手)の場合、左手用の鋏は種類が限られています。比較的高級な部類の洋裁鋏と、特別に左手用に作られたものしか市販されていない。そしていずれも通常の鋏より高価(数割増しから倍)という現実です。
その理由は簡単で、鋏を使用する頻度・時間が長い(職業としての)洋裁の場合、左利きの人が長時間にわたって(利き手でない)右手を使用するのは負担となるため、業務用の左手用の鋏は必需品。
普及品の工作・手芸用の鋏は、本来大量生産であるため、販売量の少ない左手用は高価になり、安価と言う事が唯一の{特徴}でり、セールスポイントである工作・手芸用鋏になじまないからです。
一方、ここまで説明してきたように、左手で右手用の鋏を使用するのは最悪の選択です。
下の写真は、いずれも工作・手芸用の鋏で、左端の物を除き、右手でも左手でも使えそうですが刃の形を見ると右手用だという事が判ります。
年齢・用途
理由
選択
子供さん
☆右手用の鋏を、右手で使う事を習得する。
右手用を右手で使う事に慣れておく事
特に、右手用の鋏を左手で無理をして使う事を覚えてしまうと、将来正式な左手用を使う事ができなくなります。
鋏は利き手でないほうで使用しても難しい物ではありません。
切り抜きなど細かい作業には鋏を持っていない手の運びが重要になります。「利き手」にこだわらなくても良い。
右手用の鋏
(右手で使用)
大人(通常使用範囲)
☆右手用の鋏を左手で使う事に
慣れてしまっ人
鋏を使う機会が少ない人
高齢者などでいまさら癖を直す事ができない人
右手ではまったく鋏を使用できない
左手用の鋏を左手で使用できない
右手用を長く使っていて、
左手が痛む人
足左の鋏
洋裁など鋏を
頻繁に使用する人
☆職業として裁縫をする人
☆障害などで右手を使用できなくなった人
で、裁縫をする人
・・速やかに左手用の鋏に慣れる事
☆左手用の鋏を使いたい場合で、
左手で右手用の鋏を使用した事のない人
左手用の鋏を使用して慣れる事
今まで右手用を左手で使用していた人は慣れるのが大変です。
総左の鋏
右手用(標準型)
足左
総左(左利き用)
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